こんにちは!ウサです。
「認知の歪み(ゆがみ)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
認知の歪みとは、認知行動療法で用いられる専門用語ですが、物事をとらえる際の思考のクセと言い換えることができます。
人はみな大なり小なり認知の歪みを持っていますが、これが強くなりすぎると、メンタルの弱さや不安定さにつながり、生きづらさを感じるようになってしまいます。
本記事では認知の歪みにはどのようなものがあるか一覧を示していきますので、当てはまるかチェックしてみましょう。自分が陥りやすい認知の歪みのパターンを知っているだけでも効果がありますよ。
また、それ以外にも効果的な認知の歪みの対処法を示していきます!
・メンタルの弱さ、気分の落ち込みに悩んでいる
・生きづらさをどうにか解消したい
認知の歪みとは
コップに水が半分入っているとします。
このコップを見て、あなたは「半分も水が入っている」と肯定的に受取るでしょうか。それとも「半分しか水が入っていない」と否定的に受取るでしょうか。
このコップの例は有名なので、知っている人もいるかもしれません。
ただ、「コップに半分水が入っている」という同じ出来事なのに、人によって受け取り方が異なるのです。これが人それぞれが持つ思考のクセとなります。
この思考のクセが強く、とりわけネガティブに働いてしまう場合、認知の歪みといわれます。
認知の歪みは治すべき?
とはいえ、考え方は個性の一つでもありますから、絶対に治すべき!というわけではありません。
しかし、認知の歪みによってつらい感情に支配されてしまったり、生きづらさを抱えてしまう場合は、考え方を少しずづ変えていく必要があるでしょう。
認知の歪みにはどういうものがあるのかを理解し、自分の陥りやすい思考を知っておくだけでも、自分を客観視して気持ちを落ち着けることができますよ。
それでは認知の歪み一覧を確認していきましょう。
認知の歪み一覧
認知の歪みは大きく分けて10パターンあります。それぞれの思考パターンの説明と、例を挙げていきます。
自分に当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。
① 白黒思考
物事を「良い / 悪い」・「正しい / 間違ってる」というような二者択一で捉える思考です。中間の選択肢を見逃しがちで、柔軟な考え方が難しくなります。いわゆる、完璧主義者が陥りがちな思考です。
- 自分の小さな失敗も許せない
- 他人の欠点を1つ見つけただけで苦手になってしまう
② 過度な一般化
一度起こった失敗や出来事をもとに、「いつもこうだ」と未来や他のシチュエーションにおいても決めつけてしまう思考です。
- 一度失敗しただけで「自分はダメなんだ、次も失敗する」と考える
- 一度振られると「自分はもう人と付き合えない」と考える
③ フィルタリング
ポジティブな情報を無視し、ネガティブな情報だけを取り入れてしまう思考です。結果として、物事を悲観的に捉えがちです。
- 褒められても、きっとお世辞だと考える
- SNSでたくさん「いいね」をされたのに、一部の批判的な意見に落ち込む
④ マイナス化思考
ポジティブな出来事があっても、それをネガティブにすり替えて捉えてしまう思考です。成功を認めず、常に欠点を探してしまうため、自分から幸せを遠ざけてしまう考え方です。
- 仕事で成果を出せても「どうせたまたまだ」と思い込む
- 90点をとっても喜べず、残りの10点をとれなかった自分を責める
⑤ 結論の飛躍
根拠がないのに、将来のことや他人の考えていることに対してネガティブな結論を出してしまう思考です。
- 「自分は幸せになれるはずがない」と決めつける
- 相手のちょっとした態度や言葉から、「自分は嫌われている」と決めつける
⑥ 誇大視と過小評価
良くない出来事を大げさにとらえて最悪の想像をしてしまったり、逆に良い出来事は大したことないと感じてしまう思考です。バランスの取れた客観的な自己評価が難しくなります。
- 些細なミスで全てが台無しになったような気持ちになる
- 良い成績をとっても「これくらい普通だ」と考える
⑦ 感情的決めつけ
自分の感情にもとづいて現実を判断してしまう思考です。客観的な事実から目をそらし、感情を事実を証明する証拠のように扱います。
- 「不安に感じたから失敗するに違いない」と考える
- 友人と話しているとき悲しい気持ちになったことで「自分のことが嫌いなんだ」と感じる
⑧ すべき思考
「~すべき」「~であるべき」といった固定観念に縛られてしまう思考です。自分のマイルールを他人にも押し付けがちになってしまい、相手の行動がルール通りでないとイライラしてしまいます。
- 「恋人だったら相手を最優先すべき」
- 「メールはすぐに返信すべき」
⑨ レッテル貼り
その人の性質や行動の一部分だけを見て、ネガティブなレッテルを貼ってしまう思考です。レッテルは自分に貼る場合と他人に貼る場合があります。
- 「自分はバカだから、難しいことはできない」と問題を回避する
- 相手が若者というだけで「根性がないんだろう」と決めつける
⑩ 自己関連付け
自分にほとんど責任がない出来事を、自分のせいだと考えてしまう思考です。罪の意識を感じやすくなり、自己肯定感が低下してしまいます。
- 子どもが学校で問題を起こすと「親である自分が悪い」と考える
- 友人が恋人に振られたのは、「自分がアドバイスしなかったからだ」と考える
認知の歪みに対処してメンタルを強くする方法
自分が陥りがちな認知の歪みを知ることができたら、どのように対処すればよいのでしょうか。
認知の歪み一覧を見て気付いたかもしれませんが、認知の歪みには「事実をただの事実として認識せず、十分な根拠がないのに自分や他人を決めつけてしまう」というような考えが共通してあります。
そのため、「自分はダメなんだ」「嫌われてるんだ」などと落ち込んでしまうような出来事があったときは、それって本当なのかな?自分で決めつけてしまってないかな?と立ち止まって考えてみてください。
具体的な対処法を見てみましょう。
書き出す
人の脳というのは、同じ考えを延々と繰り返してしまいます。何か嫌な出来事があったとき、モヤモヤしているときは、何があったか(事実)とどう思ったか(事実に対する自分の反応)を紙に書き出してみましょう。
書き出した紙を眺めてみると、頭を整理した状態で客観視できるようになります。そうすると、「この考えは飛躍しすぎているな」などと気付くことができます。
紙に書き出すことを繰り返していれば、認知の歪みを少しずつ修正できるでしょう。
セルフコンパッション
セルフコンパッションを行うことで自分への思いやりを持ち、自己肯定感を高めることができます。
特に「白黒思考」・「フィルタリング」・「マイナス化思考」・「自己関連付け」などで自分を責めてしまいがちな人に効果があります。
具体的なやり方についてはこちらの記事で紹介しています。
理解を深める
認知の歪みや認知行動療法についての本を読んで理解を深めることで、自分の状態をよりよく知ることができるでしょう。
ワークなどがある本もあるので、まず何から始めたらいいかわからないという人も手を付けやすいです。
専門家によるカウンセリング
1人では不安な場合や専門家のアドバイスを聞きたい場合は、臨床心理士や公認心理師といった資格を持つカウンセラーのカウンセリングを受けてみるのもおすすめです。
まとめ
心のクセに気付けばメンタルは改善できる
いかがでしたか。本記事では認知の歪みの一覧と、その対処法について紹介しました。
認知の歪みは多くの人が大なり小なり持っているものですが、思考が極端になりすぎるとメンタルの弱さや生きづらさを生じてしまいます。
自分の陥りやすい認知の歪みをチェックし、紙に書き出したりセルフコンパッションなどの対処法を試すことで、メンタルを強くしていくことができますよ。