こんにちは!ウサです。
今回は心理学者のケリー・マクゴニガル氏によるストレスに関する考え方が180°変わる研究について紹介します。
みなさんは日ごろストレスを感じていますか?ストレスをどういうものだと考えていますか?
怒り・悲しみ・プレッシャーなどストレスになる感情はいろいろありますよね。私は日々何かしらのストレスを感じる度に、何か悪いものにさらされているような感覚を覚えていました。
つまり「ストレス=悪」ととらえていたのです。ストレスを感じているといつか病気になってしまうと。
しかし、ケリー・マクゴニガル氏の著書『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』によれば、このような考えは今すぐ改めなければいけないようです。
・ストレスを感じることが多い
・ストレスは悪いもの、病気になるものととらえている
ストレスの「量」ではなく「思い込み」が影響する
「ストレスが健康に悪い」の正体
アメリカで8年かけて行った研究によると、前年に大きなストレスを経験した人は死亡リスクが43%も高まるそうです。「なーんだ、やっぱりストレスは健康に悪いんだ」と思いますよね。
しかし、これは「ストレスは健康に害になると信じますか」という質問に「Yes」と回答した人だけに言えることだったのです。
ストレスは無害だと考えていた人は、ストレスを感じなかった人と比べてもむしろ健康であることが分かりました。
つまり、健康に害を与えていたのは「ストレスを受けること」ではなく「ストレスが体に悪い」と考えることだったのです。
ストレスの「思い込み」をなくすと起こる変化
別の研究では、参加者を二つのグループに分け、一方には「ストレスによって心臓が高鳴り、汗が出るのは体に活力を与えるいい反応なのだ」と伝えておきます。その後、わざと参加者を精神的に追い込むよう訓練されている試験管の前で、スピーチやテストを受けさせられるというものです。
なんと、「ストレスは有用なもの」と教えられたグループはそうでないグループに比べ、不安が少なくより自信を持つことができました。それだけでなく、一般のストレス反応にみられる心血管の収縮がなくなり、脈拍は高くてもリラックスした、心臓に負荷をかけない状態を維持していたのです。
これらの研究から、ストレスは良いものととらえることで、健康を全く害することなく困難を乗り越えられるということが分かりますね。
ストレスと友達になるメリット
では、ストレスを良いものと受け入れ、上手に付き合うことで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
パフォーマンスが上がる
ストレス反応によって心拍数が上がると、身体や脳にエネルギーが送られ、集中力が高まります。いわゆるゾーン状態となり、精神的・肉体的パフォーマンスが向上します。有名なミュージシャンやアスリートなどは、ストレスを力に変えて素晴らしい結果を生み出すのです。
受験や面接など、ここぞというときにストレスを味方にできると強いですね。
人との絆が深まる
人とハグするときに分泌される、オキシトシンというホルモンがあります。「愛情ホルモン」などとも呼ばれていますね。実はこれはストレス反応でも分泌されるのです。オキシトシンは他人への信頼感や思いやりを増加させ、人と交わる社会的行動を促します。
よく、つらい経験をすると人に優しくなれるといわれていますが、これはストレスによって「愛情ホルモン」であるオキシトシンが分泌されるからなのでしょう。
心臓が強くなる
オキシトシンにはさらに驚くべき効果があります。心臓細胞の再生を助け、ストレスによるダメージを修復しさらに強くするというものです。「ストレスを受ける→回復する」このサイクルが心臓の新陳代謝になっているということなのかもしれません。
人と関わることでさらにオキシトシンが分泌されるので、ストレスを受けることと人と関わることを繰り返していくと、どんどん健康になっていくでしょう。
やってはいけないこと
上記の内容を踏まえて、私が今まで実際に経験したり見聞きしたことの中で、ストレスを味方につけるためにやってはいけなかったんだなと思うことを紹介していきます。
ストレスを味方にしていきたいという人は、同じようなことをしていないかどうかチェックしてみてください。
ストレスを無視すること
私が会社での人間関係に悩んでいたとき、カウンセラーさんにストレスにどう対処しているか聞かれました。私は「あまり考えないようにしている」と答えましたが、それはあまりよくないといわれました。以前はピンときませんでしたが、今はよくわかります。
ストレスはプラスの感情の裏返しとも考えられます。好きな人から振られた悲しみや、仕事で感じるプレッシャーは、相手への愛情や仕事を頑張りたいという気持ちがあってこそです。つまり人生がそもそもどうでもよかったら、ストレスを感じることはないということです。
ストレスから逃げ続けること
ストレスは味方につけると困難を乗り越えるエネルギーになります。ストレスから逃げることを常に考えてしまうと、チャレンジするための活力が湧いてこず、成長できなくなってしまいます。
自分に対してストレスをある程度許容しましょう。自分にとって意味のある事なら、自己防衛的にならず、むしろストレスを受ける選択をした方がいいこともあるのではないでしょうか。
ストレスの種類にも注意
味方にできるストレスとは、「感情反応によるストレス」だと思われます。満員電車の密着感や、職場の照明が眩しくてストレス、など外環境から受けるストレスとは別物だととらえておくといいかもしれません。外環境から受けるストレスは無意識のうちに慢性的になっていることもあるため、一度自分の環境を見直してみることをおすすめします。
まとめ
ストレスがあるから、うまくいく
心理学者のケリー・マクゴニガル氏によるストレスに対する考え方とそのメリットを紹介しました。ストレスは悪い面を見ればマイナスに、よい面を見ればプラスに働くということでしたね。結局「考え方次第」で健康や寿命が左右されてしまうなんて驚きですね。
ストレスは人生で避けられないものです。避けられないなら、味方にして力に変えていくのが賢い選択かもしれません。